2014年6月14日土曜日

SS: 鏡とふたり

先日の『前髪と鏡』の続きです。これまた30分チャレンジ!…と思いましたが、私の力量では無理でした。短めです。
エロありなので、大人の方限定でお願いします。たまにはちょっと意地悪なお館様なんていかがでしょう。






『鏡とふたり』


身体に押し寄せる快感がいつもと違う。
灯りがついたままだからだ。リディアはそう推測した。指や舌で、自らを追いつめる行為が、はっきりと見てとれる。
「んっ…」
胸の先端を舐め上げるエッジのどこか楽しそうな意地悪な表情が視界に入り、身体の奥がさらに熱を帯びた。
もっと触れて欲しい…その願いが通じたのか否か、右胸の突起を舌で弄ぶ彼の指が、脚の付け根に触れた。
「あぁぁっ!」
びくりと背中が反った。濡れそぼったその場所を繊細な動きで擦られるたびに、痺れのようなものが全身に広がっていく。
「どう?」
わかっているくせに、悪意を含んだ笑顔で感想を聞かれる。リディアはただ首を振った。
ますます楽しげに、エッジは茂みの中に顔を埋めた。
「ああぁぁっ、ちょ、エッジ、ああん!」
柔らかな舌が艶かしく上下し、すでに敏感になっていた箇所を責める。あまりの快感に、反射的に腰が浮いた。
「だ、だめぇ…!…あっ、あっ、あぁっ!」
動きを止めようと彼の銀色の頭に手を伸ばすが、力が入らない。ぴちゃぴちゃといういやらしい音が部屋に響く。彼の舌の動きが速くなった。身体の中心に、悪寒のようなものが走った。
「ふっ、あぁっ、ああぁぁんっ!」
自分の意思とは無関係に、びくんと身体が大きく跳ねた。絶頂とともに、意識が白濁した。
しばらくして、リディアは荒い息を整えながら、うっすらと瞳を開けた。にじむ視界の向こうで、エッジが自分の身体から顔を離し、ひとつ息をついたのが見えた。彼はベッドから降りて先刻リディアが覗き込んでいた姿見の前に移動し、全身が映るその鏡をベッドの方向に向けた。思いがけずあられもない自分の姿が映し出されて、リディアはたまらず目をそらしてエッジに抗議した。
「な、何してるの…」
さきほどの快楽の余韻が残り、絞り出した声は弱々しくなってしまった。答えずにエッジはぐったりとしているリディアの横に腰掛けた。
「たまには趣向を凝らしてみようと思ってな」
冷たさすら感じさせる視線がリディアを捉えた。彼の瞳の奥の輝きは飢えた獣のようで、恐ろしさを感じながらも、抗うことができなかった。
手早く衣服を脱いだエッジがベッドの上で身を起こしたまま脚を開き、脚の間に座らせるようにリディアを抱き起こした。後ろからぎゅっと抱きしめられ、頬と耳の間に唇が寄せられる。優しいキスにうっとりしていると、両脚を抱えるように持ち上げられた。次の瞬間、後ろから彼の屹立した中心が、濡れそぼったリディアの秘所をこじ開けるように侵入してきて、息が止まった。
「んあ、はぁぁっ!」
「んぅっ…」
エッジが何かをこらえるように、耳元でため息にも似たくぐもった声を漏らした。つながった部分が脈打っている。振り向くと、やはり肉食獣のような鋭い瞳が細められた。
「リディア、こっちはいいから、正面見ろよ」
「え…?」
その言葉に思わず顔を上げると、大きな鏡の中に一糸まとわぬ緑色の髪の女が、上気した顔で自分をぼんやり眺めていた。
「きゃっ!」
彼の中心が自分に入れられている。結合部分がぬらぬらと光を反射しているのが目に入り、リディアは慌てて顔をそらした。エッジが笑いをこらえたかのように、くつくつと喉の奥を震わせた。
「見てろよ」
その言葉が合図だったかのように、エッジの腰がゆっくり動き始めた。
「あっ、あっ、あっ…!」
後ろから貫かれるリズムに合わせ、嬌声が口から漏れ出す。胸の双丘を揉みしだくと同時に突起を指でつままれた。
「…あぁ、あぁぁんっ!!」
「…だから、見てろって」
抵抗することを許さない低い声に従って瞳をわずかに開くと、鏡に映る自分の乱れる姿と、意外にもあまり余裕のなさそうなエッジの姿が、興奮を煽った。鏡の中で視線が絡み合うとエッジが満足そうに微笑んでリディアの耳を口に含み、次いで舌を首に滑らせた。
「ひゃぁんっ!」
思わぬ行為に身体が跳ねるが、ひとつになった身体が離れないように、エッジがリディアの腰を強くつかんだ。急くように、彼の腰の律動がだんだんと速くなってきた。
「くっ、リディア…」
エッジが眉根を寄せた。激しく揺らされてもつながっていられるように、ぎこちなくはあったが、リディアも腰を動かしたのだ。乱れる呼吸のかすれた音と、淫らなぐちゅぐちゅという音が羞恥心と欲情をかき立てた。
「んふぅっ、はぁっ、んんぅっ…」
もう一度、快楽の波が身体の奥から押し寄せてきている。リディアは首を横に回して、エッジと唇を重ねた。舌が荒々しく絡み、溢れた唾液が銀糸となって唇から顎に伝った。
「ああぁっ!もうっ…だめぇ…!ん、ああああぁぁぁっ…!」
顔を離して悲鳴のような声を上げると同時に意識が遠のいていった。
荒い息づかいが耳のすぐ近くから聞こえる。快感の絶頂の中、自らを穿つ熱がさらに固くなり、一気に膨張した。
「…っ、くぅっ…!」
エッジの喘ぎともつかない声と共に、包み込んでいた部分がびくんと脈打ち、勢いよく熱が体内に放出されたのを感じた。

短くなった前髪をかきあげられ、リディアは目を覚ました。灯りがまだ点いているところを見ると、少しだけうとうとしてしまったのだろう。目の前のエッジは先ほどとは同一人物とは思えない穏やかな表情だった。
「…めちゃくちゃいやらしかったぞ。鏡のおかげかねえ?」
彼の瞳が再度、底意地の悪そうな光をたたえている。
意識が遠のく前の行為を思い出して、リディアは恥ずかしさに襲われた。顔に熱が上ってくる。答えずにエッジの胸を軽く拳で叩き、唇を尖らせて不満を表明すると、額に口づけを落とされた。
意地悪な瞳をふっと細めて、エッジが破顔した。汗で髪の毛が張りついているであろう額に幾度目かの唇を寄せられたあと、唇どうしが重ねられ、しなやかな腕に抱きすくめられた。
幸福なその感触にすべてを許してしまいそうな自分がふがいなくて、リディアは彼の腕の中でもう一度唇を尖らせた。


end

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この前の話はこちら。『前髪と鏡』
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2 件のコメント:

  1. nona様

    『鏡とふたり』早速読ませて頂きました。
    エッジがリディアにバックアタック!
    前回のお話の続きがまたまた衝撃のお話でびっくりしました!!
    nona様のお話の中の大人なエッジが大好きなのですが、ちょっぴり意地悪なエッジも大好きです(^-^)/
    これからも素敵なエジリディのお話を心待ちにしております。
    頑張って下さいねo(^o^)o







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  2. りょうさま、こんばんは!
    「エッジがリディアにバックアタック!」…笑ってしまいました(笑)
    我ながら魔が差したとしかいいようがない話で恥ずかしいのですが、楽しんでいただけたのでしたら幸いです。
    大人なエッジがお好みなんですねー。では、次回はお口直しに軽い話をアップしようと思っているので、その次にでも、大人な話を書きたいと思いますー。よろしくお願いします☆

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