2014年8月18日月曜日

SS: 恋文教室

久々の更新になってしまいました。
リディアに男の影が!?と心配して躍起になるお館様が書きたくて、こんな話を書いてみました。FF4TAエンディング後で、婚約済み段階の話ということでお願いしますー。





『恋文教室』



「若。皆様にご婚約を知らせる書簡はもう書かれましたか?」
ごほん、ともったいぶった咳をしてから、家老が訝しむような視線を投げかけてきた。エッジは視線を合わさないように、顔をそむけて手を頭の後ろで組んだ。
「日取りが決まってから書こうかと…」
「何を悠長なことを言っておられる!一国の王の婚約は他国にとっても一大事。早くお知らせしなければ!」
口ごもっていると、途中で鋭い声が遮った。年を重ねても衰えを知らぬ彼の物言いに、日ごろの鍛錬を欠かしていないからだろうかという推論を頭の中で展開した。日ごろの鍛錬とは、つまり毎日大きな声を上げて自分を叱責することだ。
「王族の結婚が一大事になりえるのは戦時中とかだろ。しかも相手はどこかの王族でも貴族でもなんでもない、一般人だぜ。そんなに急ぐ必要あるか?」
我ながら正論だった。終わりにいくにつれて、家老の眉が悔しそうに吊り上がった。さらに小言を重ねられるかと身構えていると、家老は突然老けかえったように長い息をついた。
「…まったく、相変わらず口答えばかり。そのような筆不精では、恋文も書かれたことがないのでしょうなあ。リディア様、おかわいそうに…」
知ったようなことを言うが、悔しいことに的を射ていた。彼女が幻界にいる間も、手紙を書きたいと思いながら何を書けばいいかわからなくて、結局エブラーナの言葉で暗号めいたものを送りつけていた。彼女がそれを楽しんでくれていたからいいものの、他の女だったらどうだったろうかとは思わなくもない。そもそも他の女に手紙を書く自分が想像できなかったが。
「おなごは手紙が好きですからなあ」
横からザンゲツが茶々を入れる。世の中の女が全員、手紙が好きなのか?と言いたくなるが、確かに自分のそっけない暗号に対してもリディアの返事は丁寧だった。一理あるのかもしれない。
「もし、リディア様へまめに手紙を送ってくるような男がいたら、今回の件、危ういかもしれませんなあ」
「まったくですな」
婚約を通知する手紙の話をしていたはずなのに、老人ふたりはすっかり神妙な顔をして破談の危機に思いを巡らせている。
「あーあー、やだねえ。年をとると必要以上に心配性になって」
「若!!」
軽口を叩いていなすと、家老が顔を真っ赤にして声を上げた。今日の鍛錬には十分だろう。エッジはひらひらと手を振って自室へ足を向けた。


窓から橙色の光が差し込んでいた。長くて黒い調度品の影が床に落ちている。
「リディア?」
呼んでみるが返事はない。この時間に彼女が部屋にいないのは珍しい。ちょうど離れている時に帰ってきてしまったのだろうかと思い文机の椅子を引いたところで、目の端に映るものがあった。
白い紙が夕日を反射してオレンジ色に輝いていた。紙の一番上にある文字へ視線が釘付けになった。

   愛しいひと リディアへ

筆跡は優雅だが力強く、とても女性の文字とは思えなかった。好奇心と不安が、他人への手紙を見る引け目を心の隅へ追いやった。最初の方は時候の挨拶が中心だったのでほとんど頭に入らなかったが、最後の二文に心臓がどきりと跳ねた。

   あなたに会いたくても、なかなかお会いできないのが残念です。
   明日の夕方、時間はありませんか?いつもの場所で待っています。

手紙の最後にはサインが施されている。一縷の望みを断ち切るかのように、男性名が記されていた。
もし、リディア様へまめに手紙を送ってくる男がいたら、今回の件、危ういかもしれませんなあ…
先ほどの家老の戯言が突然真実味を帯びてくる。まさか、彼女がこんな隠し事をしているとは。彼女がミストに住んでいる間、見張っていた限りでは男の影はなかったはずだ。エブラーナに来てからだとしたら、王の婚約者をたぶらかすような不届き者は誰だというのだろう。冷や汗が一筋、背中を伝った感触があった。
どのくらい呆然としていたのだろう。気がつくと夕日の光はなく、周囲の景色がぼやけていた。エッジは我に返って手紙を机の上に置いた。ふらふらとソファーに身を沈めた瞬間聞こえた軽やかな足音に続いて扉が開き、息を弾ませたリディアが姿を見せた。
「もう戻ってたんだ。遅くなっちゃってごめんなさい」
彼女の頬は上気しており、暗くなりかけた部屋の中でも朱に染まっているように見えた。走って帰ってきたからだろうか?それともこの手紙の主に会ってきたからだろうか…と思考を繰り広げていると、リディアが文机に近づいて「あっ」と声を上げた。
「どうした?」
「う、ううん。なんでもない」
首を振りながらも彼女は明らかに動揺した様子で、机の上にあった手紙を手早く引き出しの中にしまった。エッジはため息を必死に飲み込んだ。


翌日の午後。エッジは執務室の大きな机に肘をついて虚空をぼんやり眺めていた。婚約を知らせる手紙を書こうと机に向かったはいいが、最初の一枚を誰に書くか思案して、そのまま手が止まっているのだった。
つい昨日家老に反発したにもかかわらず突然手紙を書く意欲が湧いたのは、覗き見てしまったリディア宛の恋文のせいだった。どのくらい効果があるかはわからないが、婚約を周知の事実としたい。そんな気持ちに駆られたのだ。
しかし手が動かない。それも昨日の恋文のせいだった。真っ白な紙の上で、エッジは肩を落とした。
自分にあんな歯の浮くような言葉を書き連ねた手紙を送ることはできるのだろうか。少し想像するが、気恥ずかしさが先立って、とてもできそうにない。
おなごは手紙が好きですから。
ザンゲツのにやにやとした顔が脳裏をよぎる。
…「できない」などと言っている場合か?
次に思い浮かんだのはそんな危機感だった。もし、リディアも手紙を好む女だとしたら、「書けない」と言っている自分に失望するのではないか?
天井を仰ぐ。大きく息を吸って、吐き出して、エッジは白い紙に思い切って「拝啓」と書き出した。前置きは、相手の名前を書く緊張を少し和らげてくれた。

 拝啓 リディア様
    執務室からこれを書いている。
    今日はこれからずっと書類仕事だ。我ながら向いていないと思う。
    天気がいいから外へ行っているだろうか。何か見つけたか?
                           敬具

手紙にすると、馬鹿丁寧になるのがおかしい。昨日見た恋文に比べたら短い上にそっけないが、これが精一杯だった。文末に自分の名前を書くのが憚られて、名前の頭文字を崩した印を書いた。封筒に入れて封をする。部下に頼むか悩んだが、結局自分で自室の前まで行き、扉の下から封筒を差し込んだ。部屋の中にはリディアがいる気配がする。すうっと息を吸い込んで、その場を離れた。


翌朝、執務室の乱雑な机の上に埋もれそうになっている封筒を見つけた瞬間、心臓がどきりと跳ねた。少し丸みを帯びた、美しく見覚えのある字が、自分の名前を記していた。心臓の鼓動を感じながら封筒を恐る恐る開いた。

 親愛なる国王陛下
    お手紙ありがとう。
    久しぶりでびっくりしたけど嬉しかったです。
    でも、公務中に書いてるってことだよね?
    あんまりさぼると皆さんに迷惑が かかるからほどほどにね。
    今日…これを読む頃には昨日だけど、ずっと本を読んでいて、
    ほとんど外へ出なかったの。明日…今日はどこかへ出かけようっと。
    書類仕事がんばって!
                            心を込めて リディア


昨日、顔を合わせても何も言わなかったのに、きちんと手紙は彼女に届いていたようだ。こういういたずら好きなところが彼女らしくて微笑ましい。
もう一度文章に目を落とす。やはり、手紙をもらうと嬉しいものなのか。老人軍団のありがたい説教は間違っていなかったようだ。自分の手紙のように固くなりすぎない調子は、彼女が手紙を書き慣れていることを示していた。
ペンを手に取った。昨日よりはすらすらと宛名を書くことができた。

 前略 リディア様
    昨日はあんなに天気がよかったのに、出かけなかったなんてもったいない。
    公務さえなければ一緒に出かけたのに。
    ここまで書いて、貴女はエブラーナへ来たばかりで知り合いがいないので、
    外出を躊躇しているのではないかと心配になった。

    追伸 どうやって執務室へ忍び込んだんだ?
                    ここから抜け出したい国王陛下より

書き終えて、エッジは思わず苦笑した。「貴女」なんて、普段の生活で使ったことのない言葉だ。手紙の中の言葉は、何世代か古いものがそのまま残っている。礼儀作法なんて堅苦しいだけだと思っているのに、後世に残るものに対しては丁寧でいたいものなのかもしれない。足取りも軽く自室まで行き、手紙を落とした。手紙で宣言していた通り、出かけているようだった。
翌朝、わき上がる期待を必死に抑えながら執務室へ向かった。案の定、手紙が置いてあった。

 机に張り付いている国王陛下
    ご心配ありがとう。確かに知り合いはあまり多くないけど、大丈夫だよ。
    昨日は最近仲良くなった人と一緒に少し遠くまで出かけました。
    ちょっと暑かったけど、百日紅が満開できれいだったよ。
    クオレが見たら喜ぶだろうなあ。
    明日は一緒に出かける仕事があるね。楽しみにしています。

    追伸 私、忍者になれるかな?
                    意外と隠し事が上手なリディアより

最近仲良くなった人、というところで思わず手紙を握る手の力が強くなった。しかも、クオレが同行していないということはふたりで行ったということなのだろうか。例の手紙を送ってきた男だろうか。また、「隠し事が上手」とはどういうことだろうか。嫌な想像ばかりが脳内を占拠し始めたところで、扉を叩く音が思考を遮った。すぐに返事を書けないことが悔やまれたが、どこかで安心している自分もいた。

「…エッジ?」
紺碧の瞳と視線が合った。いつの間に目の前に立っていたのだろう。リディアが身体を折って、椅子に座る自分を心配そうに覗き込んでいた。
「なんだか今日、ずっと上の空じゃない?疲れてる?」
問いかけに無言で首を振ると、リディアの不安はさらに煽られたようだ。頬に手を当てられた。手が温かく、どこか潤いがある。そこで初めて、彼女が風呂上がりなのだと気づいた。濡れた髪の毛を後ろで一つにまとめている。花の香油の混ざった石鹸の香りがほのかに漂った。
彼女の言う通り、今日の自分は一日中上の空だった。謁見の間のわずかな時間を縫って執務室で机に向かっても、公務の手紙はおろか、彼女への手紙も書けなかった。
夕餉の時も呆然としていて、クオレに何度か「話を聞いてる?」と口を尖らされた。その度に謝って、話を繰り返してもらっていた。
手紙を盗み見たとは口が裂けても言えない。でも、彼女を「愛しいひと」と呼ぶ存在が気になる。そして、何よりも彼女が何を考えているか知りたい。いや、「何を考えているか」ではなく、自分が彼女に愛されているかを確認したいのだ。
…そんなこと、言えるわけねえだろ。
心の声は、ため息だけが表層に漏れた。しまったと思った瞬間、ぎゅっと頭を抱き寄せられた。彼女が立っていて、自分が座っているので、胸に頭を抱きかかえられた格好だ。
リディアはエッジの頭に顔をうずめたあと、髪の毛に頬ずりをした。柔らかさと甘い香りに、頭がくらくらして、身体が熱くなる。細い腰を抱き寄せる。欲望が持ち上がるのを感じた。
自分を叱咤する。今の状態で、彼女の愛情を身体を重ねることで測るのははばかられた。血を吐く思いで彼女の身体を押し返す。
「…ありがとな。ちょっと疲れてんだ」
「うん、毎日大変だもんね。明日は一緒に外出だから、早く休もう」
リディアは自分の心のうちを詮索することもせず、疑いも見せぬ様子でうっすらと微笑んだ。彼女の優しさが心に突き刺さる。ベッドに潜り込んでも、葛藤から抜け出す術が見当たらなかった。


翌日は、城からほど近い集落での会合だった。国民の声を直接聴くために、部下を連れ立って定期的に国内の集落へ足を運んでいるのだが、ある日、その取り組みを聞いたリディアが「エブラーナのことを知りたいから」という理由で同行を願い出てきた。もちろん断る理由がないので快諾したのだが、今は心が重い。いつも感じていた生涯の伴侶と並ぶ喜びは、いつか壊れるかもしれない関係を公表する恐れへと変わっていた。
会合が終わったあと、ひとりの青年が近づいて来るのに気づいた。見るからに快活そうで、好印象を与える丸顔の青年である。会合中もいくつか発言をしていて、頼もしい若者だという感想を抱いたのだが、驚くことに、彼の姿を認めたリディアが手を振った。
面識があるのか?と不思議に思った直後に、青年が発言の前に名乗っていた名前が記憶の中の名前と一致した。リディアを「愛しいひと」と書いた手紙の送り主の名前だ。まさかこいつが?とふたりの顔を交互に見比べるうちに距離がつめられ、やがて青年が勢い良く頭を下げた。
「リディア様、ありがとうございました。おかげさまで…」
「ああ、よかった!」
リディアが青年の手を取って、両手で包んだ。青年は顔を上げると照れたように微笑んだ。このふたりの関係が見えない。その思いが顔に出ていたのか、リディアが苦笑したが、答えを教えてくれなかった。
「ちょうど、彼女が来てるんです」
おいで、と言って、聴衆席の方に顔を向けて手を振る。一番前の席に座っていた金髪の女性が頭を下げてから小走りでやってきた。目の前に立った後、彼女はもう一度深々とおじぎをし、青年は誇らしさをにじませて言った。
「もしご都合さえよければ、ぜひ、我々の結婚式にお越しください」
結婚式?リディアに恋文を送っていたのに、別の女と?まったく状況が読めなくて困惑していると、リディアがこくこくとうなずいて、見上げてきた。
「もちろん伺うわ。ね、エッジ?」
「あ、ああ」
有無を言わせない勢いにエッジは首を縦に振った。よくわからないが、婚約破棄の危機は免れたようで、ただ呆然とするしかなかった。


その晩。風呂から戻ると、枕の上に見慣れた文字で自分の名前が書かれた封筒が置いてあった。自分が風呂に入った隙を見計らって書き置きしたのだろうか。エッジは椅子に腰掛けて慎重に封を開けた。書き出しのせいで顔に血が上るのを感じたが、読み進めると、自然と顔がほころんだ。

 私の愛しいお館様
    今日の昼間の出来事にはびっくりしたのではないかと思い、ペンをとりました。
    以前、視察に行った際に、彼に相談されたの。
    「結婚を考えているひとがいるのだけど、そのひとはミストに近い、
    バロン近郊の出身だから、大陸の作法でいい伝え方を教えてほしい」って。
    いつも会っているひとだったら、手紙で伝えるのがいいんじゃない?って
    提案して、しばらくその手紙の内容を一緒に考えてたの。
    うまく行って本当によかった!ふたりでお祝いに行こうね。
    取り急ぎ。
                    あなたのリディアより

また早とちりで勘違いか。エッジは短く息をついて手紙を折り畳んで机の引き出しにしまった。リディアのこととなると、どうしても冷静さが失われてしまう。もっと自分も、彼女も、信じるべきだと反省した。
「…エッジ?」
紺碧の瞳と視線が合った。椅子に座る自分を覗き込むリディアの表情は楽しそうだった。
「手紙って、そんないいものなのか?」
素朴な疑問をぶつけると、彼女はますます楽しそうに、ころころと笑った。
「うん、私は好き。手紙は残るし、気持ちがぎゅって詰まってる感じがするし、『貴女』なんて普段言ってもらえないでしょ」
リディアのその言葉に、エッジは居住まいが悪くなり、頬をかいた。
「あー…二人称をなんて書けばいいかわかんなかったんだよ」
「私も、『私の愛しいお館様』なんて、普段言わないよね。でも、手紙だと言えちゃうのが不思議。そういうところが好きなの」
優しく頭を抱き寄せられたので、細い腰を強く抱き返した。胸に顔をうずめて、花の香りと、彼女の身体の熱と湿り気を大きく吸い込む。リディアが髪の毛を梳くように頭を撫でた。
彼女の香りで肺を満たした後、エッジは立ち上がってリディアをもう一度抱きしめ、彼女の背後にあるベッドに身を放り出した。濡れた髪の毛を留めていた簪が取れて、彼女の長い髪がほどけると同時に、甘い香りが強く漂った。
−−−愛しいひと。
心の中で呼んだのが伝わったかのように、リディアが顔をほころばせた。とても手紙に表現できないような感情が、全身を支配した。


「ところで、ご婚約をお知らせする手紙は書かれたのですか?」
翌朝、朝食が終わり、リディアと並んで廊下を歩いていると、心も身体も軽い爽やかな夏の朝の平穏を、冷ややかな家老の声が打ち破った。
「あー…もうちょいかな」
視線をそらすと、家老は素早くそらした視線の先に移動して、眉を吊り上げた。
「その様子、まったく進んでいないようですな…」
大声が続くだろうかと身構えていると、リディアがそれを遮った。
「もしよろしければ、私が書きます。みんな、私の友人でもありますし。私が書いたものに、エッジがサインするのではだめですか?」
「リディア様!なんとお優しい…」
名案である。助け舟を得たような気持ちになり、胸を撫で下ろそうとした瞬間、雷が落ちた。
「しかし、だめです!若を甘やかしては!このままでは手紙のひとつもろくにかけないつまらない男になってしまいます!」
「つまらない男って…」
リディアが思わず吹き出した。
「じゃあ、私がエッジがきちんと手紙を書くか、助言をしながら見張るのではどうですか?今日中に終わらせて、持っていきますね」
「おおっ、それはありがとうございます!では、お願いいたします!」
家老は大げさに思えるくらいに頭を下げて、その場から立ち去った。結局、今日も家老の健康維持のための鍛錬につきあってしまったことが非常に不本意だ。


窓から吹き込むぬるい風が頬を撫でる。肩を落とすと手元の白い紙が目に入り、重圧にますます肩が落ちそうだった。
「じゃあ、今日はがんばって手紙を書こうー!」
「はあ…」
子供にかけるような激励の一声に、エッジはため息で応じた。リディアは本当に自分を監視するつもりらしい。執務室の机から少し離れたところに座って、本を読み始めた。彼女が読書をする姿は美しい。部屋に差し込む光が彼女の周りに凝縮しているかのようにまぶしく感じられた。
ふと、ある言葉を思いつき、紙に書いた。息を吹きかけて乾かしたあと、その紙が風を切って飛ぶような形に折った。リディアに向けて放ると、狙い通り、彼女の足に当たってその紙が落ちた。彼女は拾い上げて紙を開くとくすりと笑った。

−−−貴女の本になりたい。



end


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関連作品

この話の夜と朝の間。(大人向け)
『無言通信』

昔、ふたりがエブラーナと幻界で文通していたという話。
『紫陽花』

プロポーズ!
『四季の桜』

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